谷川岳 一ノ倉沢烏帽子沢奥壁 南稜 (また、やっちまったい・・・・(>_<)! )

滝沢スラブ上部 馬ノ背のNENさん 本谷の雪も僅か 最終ピッチNENさん 滝沢スラブ上部
終了点から烏帽子岩 草付きからの懸垂NEN 同じく矢沢さん 滝の巻き道を通過 出合に戻りました

日 時    平成210816日(日)
参加者   AI沢さん、矢沢さん、NENさん、LTQ(以上、下越山岳会)
行き先   谷川岳 一ノ倉沢 烏帽子沢奥壁 南稜
仮 眠  ベースプラザ(以下、BPと記載)
天 候    曇り後晴れ

目 的    クライミング
装 備    岩登り基本装備+夏山日帰り登山基本装備
登攀用具:ロープ(φ8.5mm・50m×2本・9mm・45m×2本)・ハーネス・ヌンチャク・シュリンゲ類・確保器・下降器・カラビナ、ハンマー&ピトン(少し)


8月15日(土)
18:00 聖籠新発田IC      夕食は高速SAが混雑で利用できずに高速を一度降りる。
21:10 水上IC
21:40 BP着
23:00 仮眠            警察車輌が奥に進んで行く。こんな時間に?

8月16日(日)
02:30 起床
03:10 BP発           今日の17:00まで一般車の通行規制で歩きで一ノ倉まで歩く。
04:00 一ノ倉出合P着     警察車輌が、岩壁方向に向けライトを付けて停車。暗いので少し待つことに。
04:30 一ノ倉出合P発     遭難者を救助隊が付き添い下山中とのこと。
04:55 ヒョングリの滝の下   巻き道の入口下で救助隊とスライド
05:40 本谷渡渉点
06:40 中央稜取付       振り返るが、誰もいない。
06:55 南稜テラス着
07:30 登攀開始         食事後登攀開始
10:20 終了点着         後続もなく、下降点脇で食事をして絶景を楽しんだりノンビリと過ごす。これもいいものだ。
11:08 下降開始         悪夢再来 ( ̄◇ ̄)!
13:35 南稜テラス着
14:45 本谷渡渉点
15:25 一ノ倉出合P着
16:00 一ノ倉出合P発     休憩及び、お互いのガチャ類の返却確認
16:45 BP着
17:00 BP発 入浴、食事をして帰路
19:50 解散

※登攀、下降中は4名で2組なので4名全体での時間は多少の前後あり

概略
盆休みはどこかに行こうと考えていたけど、天候が不安定で計画も不安定。AI沢さんも諸々の用が立て込んできて、盆休みの行き先も視界不良となってきた。
そんななか、AI沢さんが、矢沢さん、NENさん他に声をかけて谷川に行く事になった。この不安定な天候なら、雨で現地中止でも笑って「しょ〜がないねぇ。」で済む谷川は順当な行き先。
ただ、ボクが盆休みの少し前からチョッと体調が悪く、食欲がなくお腹の調子も悪かったので、疲れるだろうなぁ〜という気がしていた。

記録
8月15日(土)
18時にAI沢さん所有地に集合して、聖籠新発田ICから高速へ。栄、三条付近が少し渋滞。川口SAで夕食を食べるつもりが、SA内には駐車スペースもなく、仕方なく小出ICで一度高速から出て1,000円「あづまや」でラーメンを食べて再び高速へ。
その後は順調に水上IC。
順調でなかったのが、水上ICから谷川へ向かう途中のコンビニ。握り飯が売れ切れ。仕方ないのでパン類等を購入してベースプラザへ。

混んでいるか?と思いきや、3人が既に就寝。???
へ〜空いているんだ???
寝ている方の邪魔にならないように、屋外で寝酒を飲ってそろそろ寝ようか?という時、BPの前を警察車輌が通過。
へっ?こんな時間になんろうね?と少し気にしつつ就寝。


8月16日(日)
2時30分に暑くて目が覚めた。寝ている間に、人が増えているだろうと思いきや人数に変化なし。3時起床のつもりだけど、まあいいか?と起きだして自販機の前でメシを食べていると、皆、起きて食事を摂り始めた。後片付けをして出かける時に、まだ先着さんは寝ていた。
3時10分にヘッデンを点けてBPを出発。指導センターに登山計画書を提出。指導センターに電気が煌々としている。やはり事故か?漆黒の闇のなか、黙々と歩く。マチガ沢に近づくと、車のライトが見える?マチガ沢を越えて、車に近づく間もなくUターして車は一ノ倉方向へ。

一ノ倉出合Pに到着するがまだ、真っ暗。警察車輌がライトを一ノ倉沢方向に点灯したまま停車している。一ノ倉を眺めると、ヘッデンが見える。もう、登っているのだろうか?いやいや、警察車輌が待機しているのだから下山だろう。もう直ぐ明るくなろうだから、食事の続き、水分補給。ようやく、ヘッデンなしで河原歩きができる感じなので出かける。
出かけ際に警察の方に声をかけると、2ルンゼで遭難があり、昨日の午後から、救助作業中とのことで、当初0時頃には目途と思っていたが、暗くなり動けなくなり時間が遅れているとのこと。

河原を歩いて、最初の巻き道を通り、再び河原へ。ここから先、テールリッジまで雪は全くない。ヒョングリの滝の巻き道の下、渡渉する場所で救助隊、遭難者とスライド。遭難者は疲れきっている様子が見てとれる。
ヒョングリの滝を巻いて、懸垂下降。本谷の渡渉点へ・・・・何の苦労もなくテールリッジに取り付ける雪渓は有難い。

汗をふきふきテールリッジを登り中間点で休憩して南稜テラスに到着。この頃には青空が広がり気持の良い朝だ。振り返っても誰も登ってこない。誰も来ないので、少し休んでから準備をして登攀開始。


組み分けは、AI沢さん、LTQ組 / 矢沢さん、NENさん組として、矢沢さん、石井さんの組でなるべくツルベで登って貰うことにした。これが今回の目的・目標である。

1P(テラス〜チムニー下まで)リード AI沢さん、NENさん
セカンドのボクもユックリ登り、ランナー(ピトン類)の位置を直ぐ下のNENさんに声をかけながら登る。NENさんも落ち着いて登っている。

2P(チムニー〜草付きまで)リード LTQ、矢沢さん
チムニーには、お助け紐が残置されぶら下がっていた。まあ渋滞個所ではあるからかな?と思いつつチムニー内部を登る。お助け紐はどこかな?と思うと随分下にある。ホールドを探していると気が付かない位置にある不思議な紐。
チムニーを抜けそのまま草付きまで伸ばす。35m弱のロープラインはあまり屈曲せず伸ばすことができた。

3P(草付き)
誰も来ないので、おやつタイムを取る、「3スラすげ〜な〜」「2ルンゼにロープが見えるね〜遭難した人のロープかねぇ?」等と話ながら涼む。

4P(草付き上部〜馬ノ背の取り付下まで)リード AI沢さん、矢沢さん
コーナーになりコールが聞こえ難いピッチ。少しカタつく岩があるので注意して登る。

5P(馬ノ背下から馬ノ背上部クラック下まで)リード LTQ、NENさん
ビレーポイントから直ぐ右に上がってから左に進み馬ノ背に出る。このピッチはどうも、ロープが重くなってしまう。ロープラインを眺めチョイ反省。NEN組はロープがやや短いので、5m程下のビレーポイントを使ってもらう。
でも、出来れば、クラックの出だしが少し気持悪いので、ビレーポイントが近い方まで伸ばしておきたい。近い方がロープの弛みは少ないだろうからビレーヤーが反応しやすいと思う。(ロープは50mの方が良い。)

6P(クラック下から、最終ピッチ取付まで)リード AI沢さん、矢沢さん 
以前からAI沢さんの嫌いなピッチ。全体的に左手のホールドが甘い。右足の置く位置で難しく感じたりそれ程でもなく感じたりすると思うが、基本的にはワイドクラックとかチムニーみたいな身体全体が入り込むような広さだと、その人の身体と入り込むスペースのサイズでラクだったりキツかったりすると思う。多分、AI沢さんにとって身体を動かし難い組み合わせなのだろう。
矢沢さんは、あまり苦労しなかった様子。

7P(終了点まで)リード LTQ、矢沢さん
下部は何てことないところ。残り2m位が濡れていると嫌らしいところ。上から1〜2本のピトンにA0すれば何てことない。今回は黙ってフリーで行くぞ。と思っていたけど、上から2本目にクリップして一番上のピトンは錆びて見るからに薄くなっていて、強度が落ちているだろうから、タイオフして使おうと細いダイニーマスリングをモソモソしているうちにバランスをチョイ崩してヌンチャクを握っちゃった。ガックシきて、面倒くさいのでタイオフを止めて一番上のピトンにはヌンチャクでクリップして掴まずそのまま抜けた。
全員無事登り食事やら給水して本当に誰も来ないのでまたもやノンビリして下降。


ロープが4本あるのでドンドン下ろう。となり2セットで降りる。1ピッチ目AI沢さん、矢沢さん、NENさん、ボクの順で降りる。
1ピッチ目を下ると矢沢さんが先行して降りている。ボクが「大丈夫かな?6ルンゼをそのまま下らないかな?」と云うとAI沢さんが「大丈夫だろう〜矢沢さんにコッチ側に寄って行き、コッチ側に懸垂支点があるところまで下って行けば大丈夫」と云ってある。とのこと。「え〜・・・・ん〜」
ボクが6月にKonchangに話した通りの事をAI沢さんも矢沢さんに言っていた。後続でも登っていれば間違えないのだろうけど・・・
NENさんも下った。そんじゃボク行きますね。と下る。傾斜が緩んだところでロープを観ると6ルンゼに垂れ下がっているけど・・・
どっちにしても、AI沢さんは上にいるし、ここまで下ってロープが真下なのに大岩を超えて懸垂でトラバースも何だし・・・・2名は下にいるし・・・・登り返す以外ないし、登り返しの方法のコトもあるし・・・・
降りちゃえ・・・・でス〜っと降りてトンと着地。で「ハイ!間違えました。6ルンゼを下りすぎました。デス。」

AI沢さんに「ヤッパリ間違えたから、下っちゃダメ!」と言ったものの、ハンマー&ピトンはAI沢さんのザックの中。6月の時と同じ方法で登り返すことにして。AI沢さんに少し下った場所から1本は確保、1本をFIXとしてタイブロックかマッシャーで登り返す。
最初にボクはFIXロープに片手だけの手掛りだけ求めて簡単に登り返す。次にNENさんカラビナとタイブロックの相性が悪いのか上手く行かない。次第に焦り手足の順番がゴチャゴチャになり焦り消耗するが矢沢さんのアドバイスと励ましで登り返した。矢沢さんも簡単に登り返す。その間にボクは次の下降ロープをセットして降りる。

草付きで待っている間、下から男女の話し声が聞こえる。この時間に、登ってくるワケないし・・・こういう時に限ってボク独りだ。
幽霊とかお化けとかは信じない方だが、ま〜お盆だしなぁ〜・・・でもアチラさんじゃ少し明る過ぎないか?と無用の心配をする。
草付き下部から2ピッチで鎌型ハング下まで降りてそのまま、中央稜取付を過ぎ、落石の心配の無いテールリッジ上部まで降りて靴を履き替え、給水して下降。

本谷まで降りて冷たい水で顔を洗い水を飲んで巻き道に向かい登り返し再び下る。下の巻き道から駐車場の直前の河原に出ると男女2名が河原で寛いでいた。そうか・・・・南稜2ピッチ登ったのは彼らか・・・・ボクの耳は空耳ではなかったようだ。

ようやく駐車場まで下り各自混入したガチャ類を振分けて自分のザックに納めた。WCの掃除に来ていた方と話をすると、昨日の遭難は昨夕までヘリでの救助を試みたが、ヘリでは無理となり徒歩での下降となったようだ。まあ、ルンゼならヘリは厳しい条件のはずだ。車輌通行規制の道路をBPに向け歩く。

湯テルメで入浴し帰途についた。


※ 考えどころ
@前回、今回と南稜を初めて下る方に目的物を指示したうえで、偶々、2ピッチ目を先行して頂いたら6ルンゼ沿いに降り過ぎた。
A2P目は後続が登って来ていれば目標となるが、ルートを知らない方の場合何となく降りるとそのまま6ルンゼを下ってしまうようだ。
B2P目は途中から6ルンゼから離れるので、意識的に早めに馬ノ背側に寄ってリッジの側壁沿いに降りること。
C何だかんだ云っても、後続等視認できる目的物がない限り、2P目はこのルートの経験者が先行した方が無難。

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